サプライズが続いた。
前日、挙式を挙げたばかりの賢哉と綾子が、大きな花束を抱え登場した。
「新婚旅行じゃなかったんですか!?」
驚いた卓が尋ねると、二人はニッコリと微笑んだ。
「川浦さんの晴れ姿!見たいじゃないですか!初めから参加するつもりでした・・・今日の夕方、成田から発つことにしてあったんです」
「そうだったんですか!」
卓が二人を里奈に紹介した。
「里奈さん!おめでとうございます!」
「ありがとうございます」
「これからも宜しく、お付き合いくださいね」
綾子が言うと里奈がニッコリ微笑んだ。
「こちらこそ、宜しくお願いします」
最高の挙式である。
皆が心から二人の門出を祝い、愉しみ喜んでいた。
式が進み、卓の謝辞となり、司会者に促され、二人はひな壇から降り、マイクの前に立った。
「皆様!本日は、公私御多忙の中、私共の挙式並びに披露宴にお運びくださいまして、心から厚く御礼申し上げます・・・」
卓の声が凛と、そして温かく会場に響いた。