その日の夜、卓は富山の家族から大歓待を受けた。
食卓には、様々な野菜が所狭しとのぼっている。
京野菜にも似た美しい野菜や、西洋風のものなど・・・
友人、富山が手塩に掛けたものばかりである。
「ウマイ!これって・・・」
卓が尋ねると「あ~それ・・・豆苗のおひたしです・・・私が作ったんです」
里奈がにこやかに答えた。
「里奈はさあ~野菜ソムリエの資格取ったんだ・・・」
富山の言葉に卓は驚いた。
「里奈ちゃん!すごいなあ~」
「誰でもその気になれば、とれますよ・・・」
里奈の満面の笑みが、何とも爽やかである。
「川浦君!ところで、ご結婚は・・・?」
富山の母親が、尋ねた。
「ハイ!まだ、これといったご縁がなくて・・・」
「ほう・・・そりゃイカン!こんなイイ男、世の中の女性はなにやってんだ?」
今度は富山の父親が口をはさんだ。
「おい!いいところ・・・紹介しろ」
父親に促された富山が「そうだよな~」と答えるのを聞いた富山の妻が何気に言った。
「里奈ちゃん!どうなの!?」
「エ~わたし!?・・・お姉さん!なんで私にフルノヨ!」
顔を赤らめながら里奈が言った。
「おお~そうだ!里奈!コイツ、イイ男だぞ!」
富山の言葉に里奈も卓も顔を赤らめた。