ドラレコは、近日中に導入が決まった。
タクシー業界は設備投資が次から次へと浮上する。
「どこの業界も同じ」と言う声も聞かれるが、果たしてそうだろうか・・・
『明け』の夕方、久しぶりに田中と飲んだ卓は疑問を語った。
「この設備投資って、かなり経営を圧迫していると思うんですが・・・」
「勿論!もうそれは大変だと思うよ・・・この業界、都内以外は、まだまだ難しい・・・先が見えない状態が続いているからね・・・」
「乗務員も大変ですが、会社もかなり大変だと思います」
「そう・・・7割から8割が人件費で消えるっていう業界は、タクシー業界位だろうから・・」
「え~7割から8割が人件費って・・・それじゃあ、商売にはならない・・・」
「そう!だから若い経営者が育たない・・・どこも深刻なんだそうだ・・・」
「大変な事ですね・・・自分が心配しても始まらないですけど・・・」
「・・・今は、全体、全員で会社や職場を守らなければ!って言う時代なんだ!」
「経営者だけの会社ではないわけですからね・・・」
「そう・・・難しいよ・・・」
「・・・」
「それはそうと・・・結婚の準備は・・・」
「ええ・・・何とか進んでいます」
「そうか・・・」
「招待状のご返事・・・早くください・・・」
「ああ!今日持って来た」
田中は招待状をセカンドバックから取り出した。
「おめでとう!必ず参加させて頂きます・・・あの卓が、成長したなって、いつも感じています・・・そして、そのたび、嬉しくなります・・・お幸せに!」
招待状に書かれた、返事の内容に卓は目頭が熱くなった。